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SNRとSFDRこれだけは知っておきたいアナログ用語

» 2013年01月28日 00時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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SNRとSFDR

 SNR、SFDRは、ともにA/Dコンバータのダイナミック特性を示す代表的な指標として用いられている。

 SNRはSignal-to-Noise Ratioの略で、日本語では信号対雑音比と呼ぶ。SN比、S/N比、S/Nと表記することもある。A/Dコンバータだけでなく、アナログ回路の一般的な性能指標として、計測、音声、画像、通信などさまざまな分野で用いられている。

 SNRは、一般に

SNR=信号電力の実効値/雑音電力の実効値

によって求められ、通常は対数を取ってdBで示す。信号をフルスケール値で表す場合、特に単位をdBFSと表記することがある。

 A/Dコンバータでは、雑音には量子化雑音を含まれているため、SNRは分解能Nの影響を受ける。量子化雑音以外の雑音がない理想的なNビットのA/Dコンバータに正弦波信号を加えたときのSNRは、

SNR=6.02N+1.76 [dB]

となる。実際のA/Dコンバータでは、量子化雑音以外の雑音の影響が大きいため、当然これよりもSNRは低い値になる。

 SFDRはSpurious Free Dynamic Rangeの略で、日本語では通常そのままカタカナ読みでスプリアスフリー・ダイナミックレンジと呼ぶことが多い。

 スプリアスは「偽」という意味で、交流信号を扱う回路で元々の信号には含まれていない周波数成分が発生するとき、その不要成分を指す。

 A/Dコンバータに正弦波の搬送波信号を入力すると、非線形性に起因する高調波成分がスプリアスとして発生する。このスプリアスのうち最も大きいものと入力信号の比を、スプリアスの影響を受けない信号のダイナミックレンジという意味で、SFDRと呼ぶ。

 このとき、SFDRを搬送波(Carrier)を基準としてdBで表すことから、単位をdBCと表記することが多い。

図1 SNRの定義
図2 SFDRの定義

 例えば、テキサス・インスツルメンツ(TI)社のADS42JB69は、2チャネル16ビットで250Mspsという超高速を実現したJESD204B対応の高速シリアルA/Dコンバータである。SNRは最大74.9dBFS、SFDRは最大89dBCと、ダイナミック特性もきわめて優れており、無線基地局や超音波診断装置などのアプリケーションで、従来にない高速・高感度のレシーバを実現できる。


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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