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クロック・データ・リカバリ

» 2012年04月09日 00時00分 公開
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クロック・データ・リカバリ

 クロック・データ・リカバリとは、デジタル・データ伝送で用いられる技術の一つ。英語表記(Clock and Data Recovery)の頭文字を取って「CDR」と呼ばれることも多い。日本語では、クロック・データ再生、クロック・データ抽出、クロック・データ修復などと訳される。

 一般に、デジタル・データ伝送では、受信回路において、受信したデータ列を正しいタイミングで「0」なのか、「1」なのか判定する必要がある。この際に欠かせないのがクロック信号(タイミング情報)である。データ列と並列に、クロック信号を伝送していれば、それを使えばいい。しかし、データ列にクロック信号を埋め込んでいる(エンベデッドしている)場合は、受信したデータ列からクロック信号を再生(抽出)する必要がある。この作業に使用する回路が、クロック・データ・リカバリ(CDR)である。

PLLやインターポレータを利用

 クロック・データ・リカバリ(CDR)は多くの場合、位相同期ループ(PLL:phase locked loop)回路を用いる。PLL回路は、位相/周波数検出器やローパス・フィルタ、電圧制御型発振器(VCO:voltage controlled oscillator)、分周回路などで構成されている。このPLL回路を使って、受信したデータ信号のエッジ(信号の立ち上がりと立ち下がり)を検出し、内部のリファレンス・クロック(基準クロック)信号の位相と比較して調整することでクロック信号を再生(抽出)する。こうすることで、受信したデータ信号とクロック信号の間のスキューを抑え込むことが可能になる。

 このほか、PLL回路を使わない方法もある。インターポレータ(位相補間回路)を使って、リファレンス・クロック信号から多相のクロック信号を生成し、受信したデータ信号のエッジと比較して、最適なクロック相を選択するという方法だ。発振器(VCO)を使わずに、高精度なリファレンス・クロック信号を利用することで、再生したクロック信号のジッタを低減できるというメリットがある。

クロック・データ・リカバリ(CDR)機能を搭載する半導体チップとしては、例えば、高速インターフェイス向けICがある。テキサス・インスツルメンツが2012年2月に発表した最新のシグナル・コンディショナICにも搭載されている。搭載したのは、アドバンスト・リタイマIC「DS125DF410/DS110DF410/DS100DF410」と、リタイマIC「DS125RT410/DS110RT410/DS100RT410」である。クロック・データ・リカバリ(CDR)機能を活用することで、時間軸方向の波形の乱れ、つまりジッタを低減する。一方、振幅軸方向の乱れについては、デエンファシス・ドライバ(DE)やアダプティブ・イコライザ(AEQ)といった機能を使う。


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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