Special
» 2011年06月24日 00時00分 UPDATE

AC結合とDC結合

[PR/EDN Japan]
PR

photo

AC結合とDC結合

 AC結合とDC結合は、2つの回路の間や、2つの基板の間、2つの装置の間などを電気信号で接続する方式のこと。AC結合は交流結合、DC結合は直流結合とも呼ばれている。DC結合は、その名の通り直流成分を送ることができるが、AC結合は直流成分を送ることができない。従って、伝送するパルス信号に直流成分が含まれないように工夫する必要がある。

グラウンドの電位差を吸収

 AC結合とDC結合は、適用対象となる回路や基板、装置によって使い分ける必要がある。通常、AC結合は、次のような2つの場合で使われている。

 1つめは、ドライバ(送信回路)とレシーバ(受信回路)のロジック信号仕様が異なるときである。例えば、ドライバがECLで、レシーバがPECLといった場合だ。この場合、ロジック信号仕様が異なるため、DC結合ではデータの「0」と「1」とのしきい値が異なりデータを正しく伝送できない。そこでAC結合の出番となる。さらに、ロジック信号仕様が同じでもAC結合が適用される場合がある。それは、ロジック信号仕様にCMLやLVPECLなどを使う場合である。これらの信号仕様は、標準規格が存在しないため、同様にドライバとレシーバのしきい値電圧(スレッショルド電圧)が異なるケースがあるからだ。特に、ドライバとレシーバに異なるメーカーの半導体チップを使うときは、AC結合を採用した方が安全である。

 もう1つは、2つの回路の間や2つの基板の間、2つの装置の間に、グラウンド電位の差が存在する場合だ。この差は、レシーバにおいてDCオフセット電圧として現れる。DCオフセット電圧が「0」と「1」とのしきい値を正しく受信側が判断できれば問題ない。しかし、1/2×Vcc(電源電圧)を超えると、DC結合では大問題となる。受信信号の電圧レベルがDCオフセット電圧の分だけ動いてしまい、データを正確に伝送できなくなるからだ。

図1 図1 AC結合の回路図
コンデンサは直流成分をカットするために使う。DCブロッキング・コンデンサと呼ばれる。レシーバの入力波形は、バイアス電圧(VBIAS)を中心に低電圧側と高電圧側に振れることになる。

 AC結合を採用すれば、上記の2つの場合でも、データを問題なく伝送できるようになる。AC結合の簡単な回路図を図1に示す。DC成分は、コンデンサによって遮断される。そしてレシーバの入力波形は、バイアス電圧(VBIAS)を中心に低電圧側と高電圧側に振れることになる。このため、過大な振幅差がない限り、ロジック信号形式が違ってもデータを正確に伝送できるわけだ。

 ただし、AC結合には欠点もある。それは、DCバランスをとる必要があることだ。具体的には、伝送するデータの「0」と「1」の数を50%/50%にしなければならない。また、「0」や「1」がいくつも連続するデータ波形は許されない。一般に、DCバランスを確保する際は、8B10B方式やデータにDCバランスビッドの追加といった符号化処理が欠かせない。その分だけ回路が複雑になり、コストが上昇する。

 従って、電源電圧とグラウンド電位が同じプリント基板上の半導体チップの間を接続する場合などは、通常DC結合を採用している。その方が、手軽で安価に実現できる。

高速インターフェースはAC結合

 AC結合は、DisplayPortやHDMI、DVI、GビットEthernetといった高速インターフェース技術のほとんどで採用されている。CML(Current Mode Logic)を使った10Gビット/秒の高速インターフェース技術もAC結合だ。

 LVDS関連製品も登場当初は、DC結合を採用していたが、最近ではAC結合を採用する製品も増えている。その一例が米ナショナル セミコンダクター社のエンベデッド・クロックSerDesチップセットである。このチップセットは、シリアライザICの「DS92LV3241」と、デシリアライザICの「DS92LV3242」で構成されており、最大2.7Gビット/秒のデータを約5m(カテゴリー5のより対線を使った場合)伝送できる。


テキサス・インスツルメンツのインタフェース製品ラインアップ


これだけは知っておきたいアナログ用語 バックナンバー




Copyright© 2015 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

イベント/セミナー

◆TIパワー・サプライ・デザイン・セミナー2015■東京■参加無料
10月6日(火)東京国際フォーラム

2年に1度開催している中級/上級者向けの実践的な電源設計セミナーを開催致します。深い技術の習得を目指すアプリケーション・エンジニア、デザイン・エンジニアの皆さまに最適です。

【本年度のプログラム】
1. 固定スイッチング周波数の降圧型レギュレータの制御方式
2. 降圧型レギュレータの正しい制御方式を選択するためのガイドライン
3. 低消費電力AC/DCコンバータ製品の困難を解決
4. GaN FETを使ったCCM、トーテムポール型ブリッジレスPFC

詳細はこちら >>

*中級/上級者向けの実践的な電源設計セミナー(TIパワー・サプライ・デザイン・セミナー)で使用されたホワイトペーパーを、ライブラリ・ページからダウンロードいただけます。

ダウンロードはこちら >>

◆中級者のための電源設計セミナー■東京・大阪■参加無料
東京会場:9月17日(木)品川フロントビル
大阪会場:9月30日(水)新大阪ブリックビル

中級者のための電源設計セミナー。POL電源設計に的を絞り、電源設計時に考慮すべき負帰還制御方式、LCフィルタ、ノイズ、レイアウトなどを解説します。

詳細はこちら >>

◆初心者のための電源設計セミナー■東京・大阪■参加無料
東京会場:10月15日(木)ベルサール神保町
大阪会場:10月20日(火)新大阪ブリックビル

電源設計の知識を必要とされる方向けに、電源ICの使いこなし方の基本と、より理解できるようになるコツ『電源の調理法』を解説します。

詳細はこちら >>


facebook & twitter

製品情報、セミナーや展示会などのイベント情報をお知らせしています。

 

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © 2005 - 2015 ITmedia Inc. All rights reserved.
This site contains articles under license from UBM Electronics, a division of United Business Media LLC.